どうも、下津曲(@shimotsu_)です。
最近、というかここ半年くらい釣りにハマっています。
狙っている魚はブラックバスという淡水魚です。池やダム、湖、川などに生息している魚食性の魚で、もともとはアメリカで生息していた外来魚です。
バス釣りは、このブラックバスを「ルアー」と呼ばれる疑似餌を使って釣り上げる釣りです。ほとんどの場合、釣ったバスを食べることはなく、キャッチしたらリリースします(キャッチ・アンド・リリース)。
生き餌を使わなくていい、多種多様なルアーが生み出されてきた、という背景もあり、アメリカや日本などの国で手軽なスポーツフィッシングとして楽しまれてきました。
▼全体的に緑っぽい体色で、中央部にかけてぷっくり太くなっている魚体。一度は見たことある人もいるんじゃないでしょうか。

2017年12月にバス釣りにハマり、暇さえあれば湖やダムに出かけては釣りをしています。
とはいえ、釣り場が近くにないため、釣りに行く頻度でいえば週に1〜2度程度。実力や知識はまだまだひよっこレベルで、旅行に例えると、やっと旅行カバンを手に入れたくらいの段階です。
釣りをしているとけっこういろんなことを考えます。
基本的にずっと「どうやって釣ろう?」「どこにバスはいるかな?」と考えながら釣りをしています。そうして考えを巡らせていると「もしかして、これってこういうことなのか……!?」と意外なことを思いついたり、発見したりすることも。
今回のメルマガでは、半年近くバス釣りをやってきて、バス釣りについて考えたことをつらつらと書いてみたいと思います。
「バス釣り」は、ほとんどの時間バスは釣れない。
バス釣りはカンタンな釣りではありません。むしろ、初心者にとってはかなり難しい釣りです。
今でこそ「バスプロ」として、日本で開催されるバス釣りの大会や、雑誌やTV番組などのメディアで活躍している人の中にも、「はじめた頃は1年間1匹も釣れなかった」という人も少なくありません。それくらい、厳しい釣りです。
なので、「バス釣り」をしているうちの大半の時間は、「釣れない」時間になります。「バス釣り」といいつつ、実際ほとんどの時間やっていることは「バス釣れない」です。
例えば、朝5時から昼の11時まで釣りをするとして、実際に魚の反応があるのは2〜3回だったりすることもざらにあります。もちろん、いい状況のときはもっと反応はありますし、晴天無風の日や真冬などは、1日釣りをしてても反応がゼロ、ということは普通にありえます。プロでもそういう日はあるんだそうです。
だからこそ、そんな難しい状況で釣りをして、待望の1匹を手にした瞬間の喜びは大変大きなものがあります。心の底から「よっしゃー!」と叫びたくなりますし、大きい魚になれば普通に持つ手が震えます。それくらい嬉しい。
思うに、多くの人がバス釣りに魅了されるのは、「カンタンじゃないから」なんじゃないかと思います。簡単すぎず、難しすぎず、その絶妙な塩梅が、釣り人がバス釣りにのめり込む要因のひとつのような気がしています。
「バス釣り」は、”選ぶ”のが楽しいスポーツである。
前回のメルマガで「無思考型のサービス」について触れられていますが、バス釣りはその全く逆の方向で楽しみを味わうスポーツだなと感じています。
無思考型のサービスの便利な点は、利用者が「適当でいい」と思っている物事について、考えることを事業者側に委ねられる(=放棄できる)点にあります。
「選択」という視点で見ると、バス釣りはかなり大部分を釣り人に”選ばせる”釣りです。
バス釣りでは、
・フィールドそのもの
・フィールド内でのスポット
・使用するルアー
・そのルアーを使うためのタックル(リールやロッドといった道具)
・ルアーのアクション(動かし方)
・ルアーを投げるタイミング、着水点から巻き上げるまでのルアーを通すコース
などなど、釣るために考えなければいけない変数がかなり多く存在します。
特にいちばん大きなのが、「どのルアーを投げるか」という点。
このルアーセレクトには、大きく以下の2つの考え方があると思っています。
・その状況で「釣れる」ルアーを選ぶ
・自分が「釣りたい」ルアーを選ぶ
前者については、過去の経験や最近のフィールドの状況、その日の天候、季節のパターンなどから、「釣れる」であろうルアーを適切に選択する考え方です。
最もわかりやすい例が、トーナメントと呼ばれるバス釣りの競技大会でしょう。こういう釣りの大会では、たいてい5本トータルで1gでも重い重量を釣り上げた人が勝つ形式なので、その日の状況に合わせたルアーを適切に選び、釣りを展開しなければなりません。
▼日本のトップトーナメント「JB TOP50」では、3日間の重量の合計(各日5匹ずつ)でその重さを競う。これを年間5戦おこない、最もポイント数が多いアングラーを「AOY(アングラーズオブ・ザ・イヤー)」として選出する。

一方、僕らのようなアマチュアの釣りでは、そこまで「釣る」ことに対してシビアになる必要はありません(もちろん、「絶対に1匹でも多く釣る」という人も中にはいます。僕がそうです)。
なので、ルアーを選ぶ際の基準として「自分が釣りたいルアーを選ぶ」という視点があります。
バス釣りに使うルアーは、大きくハードルアーとソフトルアーの2つに分けられ、多くのルアーメーカーから、数えきれないくらいの種類のルアーが発売されています。
それら市場に出回っているルアーのなかから、
「なんとなく形が好き」とか
「釣るのが難しそうだから、なんとしてもこれで釣りたい」とか
「ひとまず、一通りの種類のルアーで釣りたい」とか
「この種類のルアーで釣るのが好きだから、これだけ使いたい」とか、
いろんな考え方で、好きなルアーを選んで釣るというのも、またバス釣りの醍醐味なのです。
これだけ生態が明らかにされており、それに応じた多種多様なルアーが作られているというのは、魚のなかではブラックバスだけ。だからこそ、バス釣りはここまでゲーム性が高いスポーツフィッシングとして楽しまれてきたんです。
なので、バス釣りは釣具屋で「今度は何で釣ろうかな?」と、陳列されているルアーを選ぶところからはじまっているのです。
つまり、選ぶことを放棄することは、その時点でバス釣りの楽しみのほとんどを手放していることにほかならないのです。
「バス釣り」は、自責志向を強めると上手くなる。
これはまだ仮説なのですが、バス釣りは自責志向が強ければ強いほどうまくなります。
たとえ話をしましょう。
久しぶりにでかけた、とあるAダムで、1日中釣りをしたとしましょう。12時間近くずっと粘り強く釣りをしたのに、釣果はゼロ……。しかも、釣れなかっただけでなくバイト(魚のアタリ)すらナシ。
「こんなに釣れなかったのは自分だけかな?」と思い、周りで釣りをしていた釣り人に声をかけてみるも、全員「全然ダメでしたね」と口を揃えて言う。
こんなとき、その釣果に対する考え方は大きく次のように分かれます。
(A)「今日は、状況もあまり良くなかったし、釣れない日だったんだなー…。まずめちゃくちゃ暑かったし、バスも全然やる気がなかったんだろうな。周りもみんなそう言ってたし。残念。また次頑張ろうっと」
(B)「どうして釣れなかったんだろう。今日は夏で水温が上がっているから、影になって涼しい場所や、支流からの流れとぶつかる合流点に魚がいると思って攻めたのに…。もしかしたら、狙っている場所は合っていても、レンジ(浅い場所〜深い場所の層)が間違ってたのかな? 次回はもう少し縦に広範囲に探ってみよう」
このように考える(A)、(B)のふたりがいるとき、次の釣行でより多くの魚を釣るであろうと思われるのはどちらでしょうか? 考えるまでもなく、(B)の方じゃないでしょうか。
これは少し極端な例ですが、(A)の方は環境(外)に原因を求めるタイプで、(B)の方は自分の釣り方(内)に原因を求めようとしています。いわば、他責的か自責的かの違いです。
この(A)、(B)の例は極端ですが、このような状況に陥ることは全然平気であり得ます。というか、ほとんど釣れないことの方が多いので、こういう日ばっかりです。
そんなとき、(A)のように原因を外にばかり求めていると、釣れるときは運良く釣れるし、釣れないときは運が悪いとなり、一向にスキルが高まっていきません。逆に、(B)のように仮説検証を繰り返していけば、どんどん自分のなかに知見が溜まっていき、それは経験として蓄積されます。これが、スキル向上、すなわち上達に近づく、というわけなのです。
ちょっと、真面目な話をしすぎてしまいました。
けれど、これくらい真面目に取り組まないと、ブラックバスという魚はそう簡単に釣れないし、バス釣りも芯から楽しむことはできないんです。
「釣り」に興味がある人は、糸井重里の『誤釣生活―バス釣りは、おもつらい』を読んで欲しい。
僕がバス釣りについてTwitterやブログで語ったり、こうしてメルマガで書くときに、とても困っていることがあります。
それは、「たいていのことは、もうすでに糸井重里が語っている」ということです……。
「ほぼ日」で知られる糸井重里さんですが、広告の仕事をやめた直後くらいからバス釣りにハマり、とことんのめり込んでいたという経歴を持っています。
その経験から、『糸井重里のバス釣りNo.1』というファミコンソフトを作ったり、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』で「芸能人釣り選手権」に出演したりもしています。
(ちなみに、僕が糸井重里さんをはじめて見たのは、この企画で「三流コピーライター」として釣りをしている姿で、本当にそうなんだと思いこんでいました……笑。)
『誤釣生活―バス釣りは、おもつらい』という本が発売されたのもこの時期。コピーライター・糸井重里の感性で、飄々と、シニカルに、ときにはまじめにバス釣りについて語っているのです。
そして、この本がめっちゃくちゃおもしろい! 釣りをする人にとっては、あるある満載で、膝を打つような表現もたくさんあり、とにかく面白い本なのです。

だから、僕がバス釣りについて語るとき、「でもなぁ、そういうこと糸井重里も言ってたしなあ」と思ってしまうのです。
ただまあ、この本を読んでない人にとっては新鮮な感覚かもしれないので、そういう意味では読まないでほしいと言っておいたほうがいいかもしれませんね。
というわけで、今日はここまで。
では、また2週間後にお会いしましょう〜。
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